2023.04.27

先が見えない経営不安を取り除く魔法のツールがこれだ!

経営者のみなさん、年間合計の経常収支は絶対に黒字にしてください。

赤字の経営収支では、銀行に「年間を通して赤字になる事業を続ける意味があるのか?」と思われてしまいます。今回は資金繰りに不安を抱えている経営者に向けて、不安の解消方法をお伝えします。

資金繰りに不安を抱えている経営者の魔法のツールとは?

資金繰りに対する不安の解消方法はというと、簡単です。資金繰り表を作ってください。

そもそも、不安とはどこから来るのかわかりますか。実際に資金繰り表をきちんと理解して作成している会社はほぼありません。そのため、先のことがわからず不安になっているのです。

もし、きちんと資金繰り予定表を作っていて「来月はもう100%お金が足りなくなります」とわかっていたら、不安にはならないでしょう。

「来月1000万払わなければならないのに、手持ちが100円しかない」といった場合でも、その先がどうなるかがわかっているわけです。

もっとわかりやすい例をご紹介します。アメリカに向かっている飛行機に乗っていて、「燃料が足らずハワイの手前ぐらいで墜落します」と言われたとしましょう。その100%落ちる飛行機に乗って「不安だな」と思いますか。

機長から「この飛行機はもう燃料がないので、あと30秒後に墜落します」というアナウンスがあれば、不安だなとは思いません。その先がどうなるかわかっているから、「それを回避するためにどうする?」しか考えることはありません。

これは、資金繰りも一緒です。先にどうなるかがわかっていれば、不安ではありません。その不安を解消するツールが資金繰り表です。

何にも難しいことはありません。作るのに手間はかかるかもしれませんが、先が見えない不安を解消できるのであれば、その程度の手間は安いものでしょう。

今回は、この資金繰り表の作り方、その注意点、特に銀行を意識した場合に注意すべきことについてお伝えしていきます。

資金繰り表の基本と作成時のポイント

資金繰り表を作っている会社はあまりありませんが、銀行融資を考えた時にこれがあると非常に喜ばれます。なぜ、資金繰り表があると銀行は喜ぶのでしょうか。

答えは、銀行は会社にお金を貸す時に「貸したお金がきちんと返ってくるか」を1番気にしているからです。資金繰り表を作っておけば説得力を持って示すことができ、貸しても大丈夫だと判断されるわけです。そのため、根拠のある経営計画書と資金繰り表をセットで出せば最強です。

しかし、資金繰り表を作成している会社はほとんどありません。資金繰り表の作り方を学び、不安を解消しましょう。では、資金繰り表とは具体的にどんなものなのでしょうか。中身はとても単純です。要は、お金がいつ、いくら入り、いくら出て、いくら残るのかを表しています。お金の流れを表しているだけです。実際に詳細を見ていきましょう。

「前月繰り越し」は、月初の減預金の残高が載っています。

経常収入

「経常収入」は、いついくらお金が入ってくるのか、ということを表しています。経常収入の注意点は、キャッシュベースなのでPL上の売り上げとはタイミングがズレてしまう点です。

例えば、今月売り上げたものが来月入るという状態であれば、売り上げは今月経ちますが、資金繰り表には来月経常収入として入ります。売掛金や受け取り手形が現金化されるタイミングで、経常収入として入るわけです。

経常支出

「経常支出」は仕入れ、人件費、水道光熱費、家賃、通常営業活動を行う上で必要な資質です。PL上の損益計算処理上の項目で言うと、売上原価、販管費などがここに入ります。

これもキャッシュベースでお金が出ていくタイミングで、経常支出として入ってくるということです。そのため、これもPLとはタイミングがずれる可能性はあります。もし、経費が翌月払いということであれば、景気計上PL今月したものが、来月の「経常支出」に出てきます。

経常収支

「経常収支」は、通常の事業活動で、キャッシュベースでの黒字・赤字を表していくところです。特に銀行を意識した場合に注意する点は、年間合計の「経常収支」は必ず黒字にしてください。

完月ベースで見たときに、赤字が出るのは良くありません。全ての月が黒字になるのが理想ですが、どこか1ヶ月が赤字になってしまうといったことはどこの会社でも起こり得ます。

支払いのタイミングなどもあり、単月ベースだと赤字が出るのは仕方ないことでしょう。

しかし、年間合計の経常収支の赤字は絶対に避けてください。「年間を通して赤字になる事業をやる意味はあるのか?」という話になってくるので、ここは絶対に黒字を死守していただきたいと思います。

投資収支

「投資収支」は、例えば、車・土地建物・機械装置などの固定資産の購入・売却がここに入ります。固定資産を購入してお金が出ていく時は支出に、車などを売却してお金が入ってきた時には収入になるということです。基本的には、投資収支はマイナスになることがほとんどです。経常収支でお金を稼ぎ、投資収支でお金を使う投資に回す、というお金の流れはあるべきです。

財務収支

最後は「財務収支」です。これはほぼ借金の出し入れです。お金を新規で借りてくればプラス収入になり、借金の元本返済額は支出になります。ここはプラス、マイナスどちらでもかまいません。

設備投資をして新規で借り入れをした場合はプラスになり、新規の借金の借り入れがなく返済だけが進んでいる状態ならマイナスになります。新規の投資がないということであれば、通常ここはマイナスになります。

合計収支

そして、「経常収支」「投資収支」「財務収支」の3つを合計した「合計収支」が下から2行目で出てきます。これは、その月キャッシュベースで、プラスだったのかマイナスだったのかを表しています。

現預金残高

1番下は、月末の「現預金残高」です。ここでも注意点があります。資金繰り予定表を理解していない人が作ると、この1番下の次月繰り越し高がマイナスの資金繰り表を銀行に提出してしまうことがありますが、悪い印象を与えてしまうため気を付けましょう。

次月繰り越し高が、マイナスになってはいけない意味はわかるでしょうか。これは、経常収支が年間でマイナスになるよりも悪いです。

次月繰り越し高がマイナスになっている=資金ショートしている、つまり倒産していることになってしまいます。ここは全ての月が絶対にプラスにならないといけません。

もしマイナスになってしまうのであれば、そうならないために、事前に対策をする必要があります。この対策を事前に打てるようにするために、資金繰り予定表が必要ということです。

資金繰り予定表があれば最悪の状況が避けられる

資金繰り予定表をきちんと作っておけば、早い段階で資金ショートしそうなタイミングが察知できるようになり、最悪の状況を避けられる可能性があるわけです。しかし、しっかりと管理をしていないと、気づいた時には手遅れという可能性もあります。

これまでは、手遅れになった時に銀行が何度か貸してくれて生き延びることも普通にありましたが、今後はもう手遅れになっても銀行は助けてくれないので、ピンチに陥ることがないように手当てをしていきましょう。

もし、今きちんと管理できているのか不安に思っているのであれば、すぐにご連絡ください。未来がわかれば、不安は解消できます。

「あなたの会社は6ヶ月後に倒産します」という結果になるかもしれませんが、それが6か月前にわかっていれば、対策はできます。そうすれば生き残れる可能性もあるわけです。

しかし、全然数字を見ずに「なんとなく大丈夫だろう」と現実逃避をしていて、5ヶ月後いよいよ危ないという時に相談をされても、もう手遅れになってしまいます。

全ての会社が必ず改善できる可能性はあると思います。しかし、経営のやり方を変えなければ何も変わりません。そのため、会社を継続存続していきたい、会社をどんどん拡大していきたい、大きくしていきたい、従業員や家族、その従業員の家族を守っていきたいんだという社長のご連絡をお待ちしております。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。