2022.07.15

【コラム】経営者は簿記を学べ!

最強の学問は簿記!?

経営者の中で簿記を学んだことがある方はどれくらいいるだろうか?
恐らく驚くほど少ないのが実態であると考えられる。実際に簿記を学んだことがあるという経営者にほとんどお目にかかった事が無い。だが敢えて断言します。経営者は絶対に簿記を学んだ方がいいと。

もちろん簿記の資格を取ること自体は重要ではない。実務上使えるレベルで理解しておいた方がいいという事だ。複式簿記は世界三大発明と言われたり、人によっては人類最大の発明という方もいるぐらい素晴らしい学問であり商売をするうえでは避けて通ることは出来ないものである。というよりも簿記を使わずに正確な財政状態や経営成績を把握する事は不可能である。

にもかかわらず多くの経営者は簿記の知識を持っていない。これは非常に勿体ない。
簿記の知識をも持たずに経営者になり、経営を行う過程で壁にぶつかって会社を改善するために決算書の読み方を分析したり資金繰り、企業財務について学び数字に強くなり結果的に簿記の仕訳なども分かるようになるという道を辿っていく。正直これは非常に効率が悪い。最初から簿記を学んでいれば回り道をせずに必要な知識を得る事が出来るし、決算書の読み方なども理解できるようになる。

簿記を勉強する時間なんて勿体ない、だったら本業に時間使った方がいい、そんな風に思われるかもしれないが資格を取ることが目的ではないので実務に関係ない部分を学ぶ必要はなくそこまで多くの時間を使う必要性はない。簿記を学ばないで経営に必要な知識を得ようとすると簿記を学ぶ以上の時間を要する事は間違いないため、回り道のように見えてもまずは簿記の勉強をすることをオススメする。

数字は苦手だから税理士に任せてる、と言っているうちは会社が良くなることは無い。1発当たって一時的に儲かるという事はあってもそれを継続する事は出来ないし、仮に売上が一気に上がったとしても金を残すことが出来るかは別問題となるため、金の使い方をちゃんとわかっていないと危険だ。

中学生以上が学校で学ぶ学問のほぼ全てより簿記を学んだ方がよっぽど生きていくうえで役に立つことは間違いない。実際中学高校で学んだことで仕事やビジネスを行う上で役に立っていると実感できるものは一つもない。難しい数学や化学、物理をやらせるぐらいなら簿記を必修にしてしまった方がよほど日本の将来は明るいものになると考えられる。自分の子供には基本的に勉強をやらせようという気はないが簿記だけは絶対に勉強させたい。それぐらい価値のあるものだと確信している。

もしまだ簿記を学んだことが無く全然わからない、という方も是非取り組んで欲しい。簿記を難しいと感じる一番の問題は恐らく専門用語の多さではないだろうか。簿記を学んだことが無い方には聞き馴染の無い言葉が沢山出てくるため難しいと感じてしまうのだ。しかし専門用語は慣れてしまえばどうって事は無い。そこに壁を感じて諦めてしまうのは非常に勿体ない。

これから簿記を学ぼうという方や資格取得を考えている方に簿記のコツを2つ伝授する。
これさえわかれば簿記はもうマスターしたようなものと言えるぐらい重要な事だ。
それは、勘定科目名の属性(資産・負債・純資産・収入・費用のどれに属する勘定科目なのか)が瞬時に分かるようになり、基本的な取引の仕訳がすぐにイメージ出来るようになれば後は数字を集計すれば決算書は概ね完成する。そしてその集計作業は会計ソフトが自動でやってくれるので、これから学ぶ方はまず勘定科目の種類を覚え、そして仕訳を切れるようになる事。この2つだけ是非取り組んでいただきたいと思います。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。