2023.01.31

【コラム】会社経営が失敗するパターン〇〇選

実は多い!?失敗する会社

会社にとっての「失敗」の基準はさまざまだと思いますが、本コラムでは「会社の失敗=倒産や休廃業」という認識で話を進めていきます。

まずは日本国内において一体どれくらいの会社が倒産・廃業しているのか見ていきましょう。帝国データバンクによると、2022年1月から12月末までの倒産件数は6,376件。件数・負債総額ともに前年より増えています。注目すべきは、負債規模。負債額が5000万円未満の倒産は3682件、1億円未満・5億円未満も前年から100件以上の大幅増を記録するなど、中小零細規模の企業の倒産が増えているようです。

それから、こちらは2021年のデータですが休廃業・解散は5万4709件。ある程度キャッシュや体力を残しているうちに自主的に休業・廃業・解散をおこなう「あきらめ休廃業」の割合が、コロナ禍を境に増加傾向にあるようです。

国が実施する資金繰り支援策や融資などの効果が出ているために倒産件数も休廃業件数も低水準になっているものの、企業の資金繰り回復のテンポは以前に比べて弱まっている傾向が見られます。借り入れによって一時的に難を逃れたものの、返済期限が到来した際に返済できる体力が残っている企業はどのくらいあるでしょうか。「今後の倒産件数や休廃業・解散件数の動向に留意が必要である」と中小企業庁は述べています。

(参考:帝国データバンク「全国企業倒産集計2022年12月報」「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2021年)」、中小企業庁「2022年版 中小企業白書・小規模白書概要」

失敗する経営者の特徴3選

経営に失敗してしまう人の共通点、ご存じですか。大きく分けると、三つあります。

1.経営を学ばない 
経営とは?と聞かれたら、すぐに答えられますか。「経営」という言葉を明確に言語化できず、知らないままで大丈夫だと高をくくって学ぼうとする姿勢が感じられない、それこそがまさに失敗の要因になり得ます。経営について知らないまま経営をしても、失敗するのは当然のこと。倒産・廃業の要因は会社によってさまざまですが「経営についてよくわからない」ことが根本的な理由で失敗した例は非常に多いです。 

新型コロナウイルスの影響で経営が悪化‥‥いま多くの会社で実際に起きていることだと思います。しかし、苦境を乗り越えている会社や、この状況をチャンスだと捉えて業績を伸ばしている会社が在ることもまた事実です。失敗しなかった会社の経営者は、単にラッキーだっただけでしょうか?経営について正しい知識を持っていたことが生き残った要因のひとつなのではないでしょうか。

2.「仕事」をする
経営者の仕事は、当然のことながら「経営」です。失敗する経営者は「仕事」をします。経営と仕事の大きな違いは、見ている範囲が全体か部分か、つまり視座の高さの違いだといえます。「営業だけ」「マーケティングだけ」と一部分を担って成果を出すのは「仕事」です。一方「経営」とは、一つひとつの仕事が結びついたことによる会社全体への効果を、最大限に高めることです。

ただ、リソースが少ない中小企業では業務を任せられる人がいないために経営者がプレイヤーの役目をせざるを得ない場面も多いことと思います。その場合は、プレイヤーでありながらもマネジメントが本来の役目であることを忘れてはいけません。経営者が仕事だけをやり続けていたら、その会社の経営は失敗します。会社の成長に伴って増員する余裕が出てきたら、仕事を引き継いでくれる人を採用し、任せるべきです。そして社長は経営に専念する、それがベストな形だと言えます。 

3.感謝しない
会社経営に限らず何かしらの分野で成功したときに、成功以前と振る舞いが変わってしまうタイプの人たちがいます。傍若無人になってしまう人、すべての成功は自分ひとりの功績だと勘違いしてしまう人など。まわりの人は、そんな経営者を見ています。うまくいっているうちは誰も何も言わないかもしれません。しかし経営が傾いてきたとき、人は自然と離れていき、それは経営を続けるうえでの大打撃となるでしょう。従来の事業規模の維持が難しくなり、ましてや事業を伸ばすことなどとても考えられなくなります。感謝の心と謙虚さを失った経営者と働きたいと思う人など、まずいません。感謝をすることは、極めて大切なことです。

失敗事例

 次は、実際に失敗してしまった事例をいくつかご紹介します。

・市場が読めず、失敗
市場を読み今後を予測することは、経営者の大切な役割です。物価が高騰して原価があがってしまったり、金融機関からの融資が突然受けられなくなったり、賃金値上げの時流によって人件費がかさんだり、企業にとっての「不測の事態」はいろいろあると思います。市場の動向にはいつもアンテナを立てておくことや自社の資金繰り状況を把握しておくことが非常に大事です。ギリギリで考えるのではなく、有事に備えて常に余裕を持ちましょう。 

・仲間に裏切られ、失敗
株主に株を渡しすぎてしまうと、のちに自分が会社を追い出されたり不利益を被ったりすることが起こり得ます。役員を選ぶ権利は株主が持っており、株主総会で選任・解任されるのです。会社が成長して役員報酬が出るようになった段階で創業者が社長や役員から降ろされた、なんて話を耳にすることもあります。中小企業の場合は株の100%を経営者が持っておくのが理想です。もし、他人に株を持たせるとしても、信頼できる株主かどうかを早い段階で見極めるため、日頃から株主とのコミュニケーションを怠らないようにしましょう。

また、会社のお金の管理をある一人の社員に任せていたら横領されてしまった、という事件をニュースで聞くことがありますね。信頼していた社員や長年貢献してくれているベテラン社員に対しては、つい監視の目が甘くなったり行き届かなかったりすることもあるのでしょう。そしてあるとき、口座にあるはずの預金がないことに気付く‥‥。

仲間を信頼することは大切です。しかし、信頼しすぎることは、危険です。お金に関する確認は必ず複数人でおこなう、お金や商品の保管場所に防犯カメラを付ける、などの予防線をはっておくことをお勧めします。そもそも不正が出来ない仕組みづくりを心掛け、仲間を犯罪者にしてしまうような事が起こらないように内部統制を徹底しましょう。

「魔が差す」という言葉があります。横領は犯罪ですから、もちろんそんな理由で許される話ではありませんが、ふと魔が差してしまうことも人間なので起こってしまいます。繰り返しにはなりますが不正や横領が出来ないような仕組みやチェック体制を整えること、それが経営者の重要な役目だと思います。

・自社について把握できず、失敗
ITについての見識が浅い経営者に多く起こる失敗例があります。ある企業で、新しいプロダクトの開発を始めることにしました。市場調査をおこない、顧客ニーズが高いこともわかり、このまま順調に進むだろうと思われたプロジェクトでした。しかし、その会社の経営者はコストや納期にだけ目が行き、技術者側のリソースやプロダクトの品質について理解しないまま話を進めてしまい、結果として開発が間に合わなくなってしまったそうです。このように自社の内情を把握していない状態で新しい事業を始めると、失敗します。自社の状況や技術力についてのご自身の理解度をまず正しく把握すべきです。エンジニア出身の社長でもないかぎり、技術面を完璧に把握している必要はありません。足りない情報や知識に気づいたら、そこを補うよう努めることで、失敗回避につながります。

失敗しないためには

ここまで、自社の状況や経営についての理解が足りていないことによる失敗例をご紹介してきました。つまり失敗しないための最も有効な方法は、知ることと学ぶことです。

経営を知らないのに経営をやっても、うまくいきません。経営者が経営について知っていることは、必須条件だと言えます。また、時勢のこと、競合のこと、自社のこと‥‥あらゆる情報のキャッチアップが、失敗しないためには不可欠です。

まとめ

社長の仕事とは会社の全体最適をすることです。自社事業やフェーズ、そして社会環境の変化に合わせて、自社が生き残るためにどうすれば良いかを考えて決断する、それは社長にしかできないことです。自社について知る。経営について知る。そうすれば、成功できる道を選べるようになります。

そのうえで、成功した後も謙虚な気持ちを忘れずに、失敗しない会社経営を続けていっていただきたいなと思います。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。