多くの経営者や個人事業者は、税務調査に対して警戒感を持っています。この税務調査でペナルティを受けるか否か、一瞬で決まる要素があります。それは何かといえば、ズバリ「脱税しているかいないか」です。それは当然ですよね。
しかし、たとえ不正や脱税をしていなくても、税務調査は何となく怖いものと感じる人が多いのも事実です。
過度に税務調査を恐れ自信を失ってしまうと、「隠しているのではないか?」と勘違いされることも。そういった誤解から、加算税を取られ、結果として資金繰りが悪化するケースも少なくありません。
そこで、今回のコラムでは税務調査の冒頭10分で結果が変わる、最低限注意すべきポイントについて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
税務調査に入る際、通常は3年分の書類の提出を求められます。急いで書類を用意すると、不備や欠損が見つかってしまうかもしれません。事前に書類を見直し、必要な情報が欠けていないか確認することが重要です。特に交際費などはよく問われる項目なので、使途や相手の情報(いつ、どこで、誰と、何の為に)をきちんと記録しておくようにしましょう。
個人事業主の方は特に注意が必要です。初日午前中は税務調査官と世間話をする機会があります。
「社長、儲かってますね~。月の生活費いくらくらい使ってるんですか?」
などと、経費や生活費について具体的な金額を聞かれることがあります。
ここで確定申告書に記載した所得と実際の生活水準に相違があると矛盾が生じ、不正の疑いをかけられる可能性があります。当たり前ですが、個人的な生活費を経費にしてごまかそうということは絶対にやめましょう。
「絶対、100%、例外がない」といった断言的な表現や絶対的な言い回しは避けた方が良いです。たとえ本当に悪意がなかったとしても、例外が発生した場合に信用が揺らいでしまいます。言葉遣いには慎重に配慮し、意図的な隠蔽を伴わないように心掛けましょう。もし話の流れで聞かれた時は「そういう風に認識しています」「私の記憶ではこうですが」、といった若干曖昧な言い回しにしておいた方が安心です。
領収書を意図的に破棄することは慎むべきですが、誤って失くしてしまうこともあります。この時に「破棄した、捨ててしまった」という言葉を使うと、意図的に破棄(仮装、隠蔽)したと誤解され重加算税という思い罰を受ける可能性があります。
間違っても「破棄した」とは言わず、「失くしてしまった」と答えるようにしてください。
しかしそうならない為にも、全ての書類をきちんと保管し紛失しないように心掛けましょう。
税務調査には通常、事前に日程の調整が行われますが、中には予告なく調査が入る場合もあります。特に飲食店などは現場を押さえたい為に税務調査官が急に来る事例があります。
しかし、査察や強制捜査の場合を除き断る権利があります。通常の税務調査であれば、自社の都合に合わせて日程を調整してもらうことが可能です。
突然調査官が来ても焦らず、「ちゃんと準備して調査に対応するために、今日は受け入れられないので日程調整してきちんと擦り合わせてからやりましょう」
または「顧問税理士に相談するので電話します」と言って断って大丈夫です。
税務調査を受ける際のポイントは主に3つあります。これらに気をつけることで、スムーズに税務調査を進めることができるでしょう。
追加のポイントとして、もし税務調査に自信がない場合、以下のような準備も役立つでしょう。
これらのポイントに注意して、粛々と税務調査に対応すれば、無駄な時間をかけずにスムーズに終わる可能性が高いです。
脱税していない場合、税務調査を過度に恐れる必要はありません。しかし、税務調査が行われる際には、事前に書類の整理や抜け漏れのチェックなどの準備が必要です。それ以外の時間においては、税務調査のことを常に考える必要はなく、本業に集中し、会社を黒字化するために全力を注いでほしいと思います。
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今回は、税務調査において注意すべきポイントと絶対に行ってはいけない行動について解説します。税務調査は不正行為が発覚する可能性が高く、適切な対応が求められます。
まずは嘘をつかずに正直な対応をすることが重要です。また、調査官からの質問には必要最小限の回答を心掛け、わからないことがあれば税理士に相談することをおすすめします。さらに、誤解を招く表現や曖昧な回答は避けるべきです。経営者や個人事業主の方々は、本記事を参考にして税務調査に備えましょう。
前提として、不正はバレます。脱税などの不正行為をしてもバレなければいいという考えは危険です。税務調査班は日々会社を調査し、一般的な脱税手法にも精通しています。不正行為はほとんどの場合、税務調査によって発覚します。「不正は必ずバレる」ということを念頭に置いておいてください。
税務調査の流れについて簡単に説明します。
まず、税務調査は通常、突然やってくるわけではありません。一部の強制調査を除き、事前に連絡があります。通常の場合、顧問税理士がいる場合は税理士が連絡を受け、日程調整を行います。
飲食店などでは時々連絡なしに税務調査がやってくることもありますが、受ける必要はありません。忙しい場合は断って構いません。ただし、少なくとも顧問税理士は呼ぶようにしましょう。
急に来て調査を受けると業務に支障が出ますよね。「お客さん来ているのに営業時間中では無理だから、ちゃんと日程調整してきてください」ということができます。どうしても初めての経験だと受け入れなきゃいけないのかなと思いがちですが、普通に断って大丈夫です。そこは冷静に対処していただければと思います。
ただし、強制調査の場合は断ることはできません。
日程が決まったら、税務調査当日は通常午前中に調査官が来社し、会社の概要や世間話をすることがあります。しかし、注意が必要です。世間話の中から、経費と関連する情報を探られることもあるので、冷静に対応しましょう。必要最低限の回答で十分です。
午後には実際の書類の調査が行われます。通常、2日間かけて行われ、終了後に結果が連絡されます。調査結果が出るまで、結論が出ることはありません。
税務調査において注意すべきポイントと絶対に行ってはいけない行動について解説しました。まず、重要な前提として不正は必ずバレますので、不正行為は絶対に行わないでください。
税務調査が入られるのは嫌なことかもしれませんが、全てを調査されてお金が取られるということはありませんので、疑心暗鬼になる必要はありません。
正当に事業を運営しているのであれば、必ずしもお金が取られるとは限りません。税務調査の際には、嘘や偽りを言わず、誠実に質問に回答することが重要です。回答する際には、必要最小限の情報を提供しましょう。わからないことがあれば、税理士に相談し、後で回答することができます。
堂々とした対応をしていただければ、やましいことがない限り、余計に緊張する必要はありません。調査官たちも好意的な印象を持ちます。おどおどしたり、緊張していると、何かを隠していると誤解される可能性があるため、自信を持って答えることが重要です。
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