2023.08.07

【コラム】衝撃の事実!税務調査は最初の10分で結果が変わる!調査官が見てるポイント〜やってはいけない事を徹底解説

多くの経営者や個人事業者は、税務調査に対して警戒感を持っています。この税務調査でペナルティを受けるか否か、一瞬で決まる要素があります。それは何かといえば、ズバリ「脱税しているかいないか」です。それは当然ですよね。

しかし、たとえ不正や脱税をしていなくても、税務調査は何となく怖いものと感じる人が多いのも事実です。
過度に税務調査を恐れ自信を失ってしまうと、「隠しているのではないか?」と勘違いされることも。そういった誤解から、加算税を取られ、結果として資金繰りが悪化するケースも少なくありません。

そこで、今回のコラムでは税務調査の冒頭10分で結果が変わる、最低限注意すべきポイントについて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

税務調査の失敗事例

1. 事前準備不足

税務調査に入る際、通常は3年分の書類の提出を求められます。急いで書類を用意すると、不備や欠損が見つかってしまうかもしれません。事前に書類を見直し、必要な情報が欠けていないか確認することが重要です。特に交際費などはよく問われる項目なので、使途や相手の情報(いつ、どこで、誰と、何の為に)をきちんと記録しておくようにしましょう。

2. 金額の矛盾

個人事業主の方は特に注意が必要です。初日午前中は税務調査官と世間話をする機会があります。
「社長、儲かってますね~。月の生活費いくらくらい使ってるんですか?」
などと、経費や生活費について具体的な金額を聞かれることがあります。
ここで確定申告書に記載した所得と実際の生活水準に相違があると矛盾が生じ、不正の疑いをかけられる可能性があります。当たり前ですが、個人的な生活費を経費にしてごまかそうということは絶対にやめましょう。

3. 断言するセリフはNG

「絶対、100%、例外がない」といった断言的な表現や絶対的な言い回しは避けた方が良いです。たとえ本当に悪意がなかったとしても、例外が発生した場合に信用が揺らいでしまいます。言葉遣いには慎重に配慮し、意図的な隠蔽を伴わないように心掛けましょう。もし話の流れで聞かれた時は「そういう風に認識しています」「私の記憶ではこうですが」、といった若干曖昧な言い回しにしておいた方が安心です。

4. 領収書を破棄

領収書を意図的に破棄することは慎むべきですが、誤って失くしてしまうこともあります。この時に「破棄した、捨ててしまった」という言葉を使うと、意図的に破棄(仮装、隠蔽)したと誤解され重加算税という思い罰を受ける可能性があります。
間違っても「破棄した」とは言わず、「失くしてしまった」と答えるようにしてください。
しかしそうならない為にも、全ての書類をきちんと保管し紛失しないように心掛けましょう。

5. 事前連絡なしの調査を受け入れる

税務調査には通常、事前に日程の調整が行われますが、中には予告なく調査が入る場合もあります。特に飲食店などは現場を押さえたい為に税務調査官が急に来る事例があります。
しかし、査察や強制捜査の場合を除き断る権利があります。通常の税務調査であれば、自社の都合に合わせて日程を調整してもらうことが可能です。
突然調査官が来ても焦らず、「ちゃんと準備して調査に対応するために、今日は受け入れられないので日程調整してきちんと擦り合わせてからやりましょう」
または「顧問税理士に相談するので電話します」と言って断って大丈夫です。

税務調査対応で気を付けること

税務調査を受ける際のポイントは主に3つあります。これらに気をつけることで、スムーズに税務調査を進めることができるでしょう。

  1. 「100%」「絶対」といったワード:
    「100%ですか?」や「絶対ですか?」などの問いかけには、注意が必要です。これらの言葉を使うと、税務調査官が何か例外を見つけている可能性もあるため、曖昧な表現を使う方が安全と考えられます。
  2. 服装や部屋の整理を心掛ける:
    事務所の状態や自身の服装は、税務調査官への印象に直結します。ごちゃごちゃした事務所よりも、きれいに整理された事務所の方が信用を得られるでしょう。また、書類や領収書を整然と整理しておくことで、調査がスムーズに進行し、時間の節約にもつながります。
  3. SNSでの過度な金持ちアピールを避ける:
    SNSでの派手なお金の使い方や金持ちアピールは、税務調査のターゲットになることがあるので注意が必要です。過度な投稿は避け、会社に関係ないものを経費にするような行動も控えるべきでしょう。無駄な税金を取られるリスクを避けるため、控えめな投稿が望ましいと言えるでしょう。

最初の10分で気を付ける事

  1. 協力的な姿勢の示し方:税務調査が始まったときに、反発的や喧嘩腰の態度は避けるべきです。調査官も悪印象を持ち、不必要に調査が厳しくなる可能性があります。
  2. 嘘をつかない:
    質問に対しては正直に答えることが大切です。嘘や矛盾が後になって明らかになると、問題が複雑化する可能性があります。
  3. 自信を持ってハキハキと答える:
    何も悪いことをしていない場合、自信を持って答えることが必要です。税務調査は恐れるべきものではなく、悪さをしていなければ問題になることありません。。自信に満ちた答えは調査官にも安心感を与えることができます。


追加のポイントとして、もし税務調査に自信がない場合、以下のような準備も役立つでしょう。

  • 事前のロールプレイ:
    • 顧問税理士などに、調査官役をやってもらい、どのような質問が来るのかを事前に練習する。
    • 即答できるように事前に準備しておく。

これらのポイントに注意して、粛々と税務調査に対応すれば、無駄な時間をかけずにスムーズに終わる可能性が高いです。

まとめ

脱税していない場合、税務調査を過度に恐れる必要はありません。しかし、税務調査が行われる際には、事前に書類の整理や抜け漏れのチェックなどの準備が必要です。それ以外の時間においては、税務調査のことを常に考える必要はなく、本業に集中し、会社を黒字化するために全力を注いでほしいと思います。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。