2023.09.17

【コラム】人件費高騰!倒産する経営者は共通して人件費で失敗してます。

人件費の管理ミスは、倒産する主な要因とされています。実は、9割の経営者が人件費の使い方で失敗しているのです。

多くの経営者は人件費に関する計画を十分に練らずに進めてしまい、その結果、利益が出ないどころか赤字体質に陥る可能性があります。一度採用してしまうと、簡単に解雇するわけにもいかないので、計画的な対応が非常に重要です。

この記事では、多くの経営者が陥る「倒産する人件費の使い方」とその対策について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

倒産する人件費の使い方7選

1. 間接部門が多すぎる

間接部門とは、利益を直接生まない部門のことです。例えば、管理部門や人事、経理などがこれに該当します。これらの部門は必要不可欠ですが、過剰な人員配置はコスト増加につながります。

建設業系のある会社が遭遇した問題を例に取り上げます。この会社は自ら施工するのではなく、仕事を受注してそれを協力業者や外注業者に任せ、監督するビジネスをしています。売上と外注費の差額が会社の利益となるので、営業力が直接利益に影響します。しかし、この会社では営業マンがほとんどいないのに対し、間接部門には多くの人員が配属されていました。これが結果として固定費を増大させました。

このような利益を生む部分にリソースが割かれない構造では黒字化が困難であり、営業マンが他の従業員の給料を稼がなければならない非効率的な状況が生まれています。

また、人事と経理などの間接部門も効率化することが可能かと考えられます。
採用する際には、その人の給与の3倍ほどの粗利を稼げるような人物を採用する必要があると私は考えます。これは最低限のラインであり、2倍以下ではその人は「赤字社員」となってしまいます。よって、人件費と粗利のバランスを考慮しながら、利益を最大化できるような人材採用と組織構造を目指すべきです。

2. 残業代が多すぎる

残業が多くて人件費が増大する問題は、多くの経営者にとって頭の痛い課題です。仕事が終わらない主要な要因の一つは「締め切り」を決めないことです。作業に明確な時間枠が設定されていないと、作業時間が無限に広がり、残業が増加します。特に、給与の低い会社では「残業して稼ぐしかない」といった考え方が根付いており、非生産的な時間の使い方に繋がっています。

日本特有の「上司より先に帰るのは気まずい」という文化や、残業が評価される風潮も、不必要な残業を増加させる要因です。これにより、ただ居るだけで残業代が発生し、経営者にとっては非効率かつ費用がかかる状況になっています。

解決策として、以下の点を検討してみてください。

  1. 明確な締め切りや標準工数を設定する。
  2. 残業する場合は、事前に届け出を必須とし、上司の承認を得るシステムを導入する。

このように、締め切りを明確にし、不必要な残業を抑制する仕組みを作ることが、人件費を効率的に使う第一歩です。

3. 無駄な社会保険料

社会保険料は企業にとって大きなコストです。特に従業員数が多い場合、社会保険料の負担は増加します。給与テーブル変えたりなど、様々な削減手法がありますので無駄な社会保険料発生させないでいただきたいと思います。

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4. 早期退職制度

業績が低迷する場合、人員削減が不可避となることがあります。しかし、早期退職制度を導入する際には慎重に検討する必要があります。優秀な従業員が退職する可能性が高いため、リストラは最終手段と考えるべきです。

5. リストラ

日本の法律上、人を簡単に解雇することは難しいです。リストラは、会社の信用を落とす可能性がありますし、優秀な人は、他の安定した職を求めて移動する傾向があります。
結論として、リストラは非常に慎重に検討する必要があり、基本的には最終手段と考えた方が良いでしょう。

6. 年功序列

年功序列は、年齢や在籍年数に応じて給料が上がる日本の伝統的な賃金制度です。この制度は、長く会社に勤めれば将来安定した生活ができるという前提がありました。しかし、現代にはこのような制度が合わないという意見も多く、特に若い世代が数回転職することは普通になっています。

年功序列の制度の下では、年齢が上がるごとに給料も上がるため、高齢で生産性の低い人が高い給料を受け取り、若くて有能な人材が会社を去ってしまう傾向があります。給料が一度上がるとなかなか下げられないため、組織全体の生産性が下がり、会社の衰退を招く可能性が高いです。

年功序列制度は過去の環境には合っていたかもしれませんが、現代の労働環境には必ずしもフィットしません。したがって、生産性や実力に基づく評価制度にシフトすることが、今後の企業にとって重要であると言えるでしょう。

7. 新卒採用

新卒採用は、中小企業にとっていくつかのリスクがあると考えられます。まず、新卒採用で社会人経験がない人を雇うと、当初は会社にとってほとんど利益を生み出さないことが多いです。もちろん、新入社員も給料を受け取る以上、会社に利益をもたらさなければならないという意識は必要です。
しかし、今の時代には終身雇用が前提とは言えません。多くの人が転職を考えるため、一人前になったと思った頃に「もっと給料が高い会社に行く」と転職してしまう可能性があります。その結果、中小企業にとっては教育投資が無駄になる危険性が高くなります。

それならば、中途採用で即戦力となる人材を高い単価で雇う方が、実際にはコストパフォーマンスが良い可能性があります。新卒採用が安いからといって、必ずしもお得ではないのです。

また、人生100年時代と言われる今、22歳で就職して何十年も働くというスタイルは古くなってきています。インターンを経験したり、留学をしてから30歳前後で就職するという選択も十分に考えられます。

中小企業は無理に大企業との採用戦争に参加する必要もないかと思います。特に専門性の高い仕事であれば、新卒でなくても十分に資格のある人材は見つかる可能性が高いです。そのため、新卒採用が唯一の手段でないことを意識して、採用戦略を考えるべきでしょう。

人件費を賢く使う方法:成功への鍵

計画的な採用

急なニーズに対応して採用を行うのではなく、事前の計画に基づいて採用を進めることが重要です。無計画な採用は、固定費である人件費の急増を招き、結果として企業の財務健全性を脅かすことになります。計画的に採用することで、企業はコストを管理しやすくなり、安定した成長へと繋がります。

人件費を「投資」として考える

次に、人件費を単なる「コスト」としてではなく、「投資」として捉える視点が必要です。重要なのは、支出した人件費が将来どれだけの利益を生み出すかを常に意識することです。理想を言えば、採用した人材がその給料の3倍の利益を生み出すような環境を整えることが望ましいです。これにより、人件費の支出が企業成長のカタリストとなります。

慎重な人件費管理

人件費が企業コストの大半を占めることが多いため、この部分の管理は特に慎重に行うべきです。人件費の増加が収益増加に直結しない場合、企業はその重荷を支えきれなくなる可能性があります。適切なバランスを見極め、投資としての人件費が企業の収益性と直結するよう努めることが重要です。

賢い人件費の投資が企業成長の鍵

人件費を計画的かつ効果的に管理することは、企業の健全な運営と持続可能な成長に不可欠です。特に、仕事がしっかりと取れる、そして利益を生み出せる状態で人材を採用するよう心がけることが重要です。

今後の人件費戦略

今後の人件費戦略について考える際、特に重要なのは「企業の理念やビジョンに共感する人を採用する」点です。このような人材が集まることで、より強い組織が形成されると言えます。
例えば、私の会社では最終目標として「世界一のサッカーチームを作る」ことを掲げています。そのビジョンに共感できる人が集まるように、経営計画書を作成し、従業員に配布しています。

転職が当たり前の時代になっているため、人の流動性が高まっています。そのため、「給与が高いから」という条件で入る人は、より条件の良い場所が見つかればすぐに去ってしまう危険性があります。今日の格言として、「条件で採用したら条件で去っていく」ということです。

給与以外でも、企業のビジョンや文化に魅力を感じ、その会社で働きたいと思う人が多ければ多いほど、組織は強くなります。特に若い世代は、何を目指しているのか、そのビジョンに共感できるかという点に重きを置いています。

経営者の皆さんには、企業が何を目指しているのか、その思いをしっかりと打ち出し、共感できる人を採用するよう努力していただきたいと思います。そのような環境が整った会社は、必ず強い組織となり、経営目標も実現しやすくなるでしょう。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。