2023.11.22

【コラム】近い将来、あなたの業界も危険。リーマンショック、ITバブル崩壊並みに倒産してる本当の理由。

最近、企業の倒産が多くなっており、話題に上がっているのはご存知ですか?2023年上半期の倒産件数がリーマンショック時と同程度に達しており、その数は驚くほど増加しています。さらに、これらの倒産は外的要因により下半期以降も続く可能性があります。しかし、多くの人がこの状況を知らず、自分は影響を受けないと考えがちです。

この記事では、2023年の企業倒産の理由と、今後予想される倒産の傾向、そして倒産しないための強力な防止策について詳しく解説します。経営者や個人事業主の方は特に注意が必要です。ぜひこの動画を最後までご覧いただき、危機を乗り越えて黒字経営を目指しましょう。

2023年上半期の企業倒産の現状

帝国データバンクによると、2023年上半期の企業倒産件数は4,006件に上り、非常に高い数字を記録しています。これは、前年同期の3,045件から31.6%も増加しており、顕著な上昇率を示しています。この増加傾向は2022年の中旬から始まり、14ヶ月連続で前年比で倒産件数が増え続けている状況です。この増加傾向は続く可能性が高く、倒産が企業にとって現実のものとなっています。

倒産増加の背後にある要因

コロナ融資の影響
2023年2月からの企業倒産件数は、前年比で20%増加しています。この増加は、ITバブル崩壊時に匹敵するレベルです。ITバブルの崩壊時には、多くのIT企業が倒産しましたが、現在は、コロナ融資の影響が大きいと考えられています。2020年からコロナ融資が行われ、多くの企業が厳しい状況でも資金を得られました。そしてコロナ融資の返済開始に伴い、一時的に生き延びた企業が経営に苦しんでいます。

特に、中小企業はコロナ前から赤字が多く、コロナ融資で借金が増え、利益を増やさなければならない状況にあります。これまでとんとんで運営していた企業も、コロナ融資の返済のために利益を増やす必要があります。

多くの経営者が、コロナ前の状態に戻れば大丈夫だと誤解していますが、実際は状況が変わっており、コロナ融資を受けた企業は、コロナ前以上の利益を出す必要があります。そのため、コロナ融資の返済が始まり、資金繰りがうまくいかない企業の倒産が相次いでいるのです。

2023年下半期~2024年上半期に倒産する企業

今後、2023年下半期から2024年上半期にかけても倒産が増加することが予測されます。特に以下の影響を受ける業種や事業者が倒産しやすいでしょう。

インボイスの影響

増税に伴い、中小企業は経営が難しくなり、廃業に追い込まれるケースが増加しています。特に価格競争が激しい業界では、増税に対応できず、廃業に追い込まれるケースが増加しています。

円安と物価の上昇

円安とインフレは一般に、企業が製品を高値で売ることができるため、利益増加につながると考えられがちです。しかし、この状況が中小企業にとって必ずしも好ましいわけではありません。円安による物価の高騰は、中小企業の仕入れコストを押し上げています。さらにインフレの影響で従業員の給与も上げなければならず、企業の経費は増大しています。

多くの中小企業は価格決定権が限られており、コストの増加分を価格転嫁することが難しいのが実情です。結果として、支出は増える一方で収入は増えず、利益が圧迫されてしまっています。

特にコロナ融資を受けた企業は、これまで以上に収益を上げる必要があるにもかかわらず、収益性の悪化に直面しているため、手元のキャッシュが減少し、倒産に向かっている可能性があります。

このため、物価上昇が進む中で、中小企業は自社の製品やサービスの価格を適切に上げていく必要があります。価格を上げずには企業の存続が難しくなります。円安と物価上昇の現状を踏まえ、生き残りをかけた価格戦略の見直しは、中小企業にとって急務です。

会社の規模が小さい

小規模企業はその性質上、生産性が低いという課題を抱えていることが多いです。例えば農業を見てみると、小さな土地で夫婦二人でトウモロコシを栽培する場合と、アメリカの大規模農場で機械を使って栽培する場合を比較すると、後者の方がはるかに効率的です。同じ品質のトウモロコシを同じ価格で売るとしたら、コスト面で小規模な生産方式は競争に勝てません。

このため、小規模企業が生き残るためには、単に同じ製品を同じ価格で売るのではなく、独自のブランディングを行い、例えば「特別に甘いトウモロコシ」として高価格帯で販売するなどの戦略が必要です。同様に、野菜販売でも、多くの消費者は産地にこだわらず安価なものを選びます。したがって、小規模企業は、大企業が参入しにくい市場で独自の価値を提供する戦略を考えなければ、厳しい競争の中で生き残ることが難しくなるでしょう。

連鎖倒産

連鎖倒産とは、取引先や得意先が倒産し、その結果として予定していた入金がなくなることで、自社も倒産に追い込まれることです。このリスクを管理するためには、取引先の与信管理を徹底することが重要です。これは、取引先の支払い能力を正確に評価し、支払い能力のない企業には商品やサービスを提供しないということです。

さらに、倒産防止共済や信用取引保険などの金融商品を利用することも有効です。これらは、取引先が倒産した場合に、保険からの補償や共済からの借入れにより、資金を確保する手段となります。これによって、自社が連鎖倒産するリスクを軽減できます。

そもそも需要が無くなっている

市場での需要が変化している中、多くの企業が自分たちの業界に固執していることがあります。特にコロナウイルスの流行により、多くの業務がオンラインで可能になり、対面での会議の必要性が減少しました。これは、オフィスや会議室の需要が減る一因となり、多くの大企業が都心の大きなオフィススペースを解約する動きを見せています。

逆に、オンライン関連の業界では需要が増えていますが、例えばFAXのように旧来の技術を使い続けている業界は、需要が減少し続けているのが現状です。これらの技術を使い続ける企業は、市場から取り残されるリスクがあります。古い技術や方法に依存している業界は、現在利用している高齢の顧客層がいなくなると、その市場自体も消滅する可能性があります。

企業は市場の需要の変化に柔軟に対応し、時代遅れの技術やサービスに固執せず、現代の消費者のニーズに合ったサービスや製品へとシフトすることが生き残りの鍵です。

強力な倒産防止策

会社の数字を把握する

経営者として最も大切なことの一つは、会社の財務状況を正確に把握することです。キャッシュフローが毎月マイナスである場合、どれだけの資金が不足しているのか、売上や利益をどの程度増やす必要があるのかを知る必要があります。また、現在のキャッシュでどれくらいの期間事業を維持できるのかも重要なポイントです。

もし財務が不足している場合、即座に対策を練るべきです。しかし、多くの中小企業経営者は、財務を詳しく見ていないという現状があります。経理や税理士にすべてを任せてしまっている経営者が多いですが、彼らはあくまで処理や申告をする役割であり、会社を良くする戦略を練るのは経営者の役割です。

目の前の仕事は重要ですが、それによって得られた結果を見ることも同様に重要です。経営陣の中には必ず財務を理解し、分析できる人がいるべきです。そうでなければ、企業は資金繰りに失敗し、最終的には倒産のリスクを高めます。

経営者は財務を後回しにせず、積極的に数字を見て、理解し、それに基づいて行動する必要があります。これは倒産を避け、事業を成功に導くために不可欠な行為です。

無駄なコスト削減と必要経費の重要性

経営においては無駄なコストを削減することが基本ですが、支出を減らすことばかりに注力するのではなく、必要な投資には資金を惜しまないことも重要です。厳しい経営環境にあっても、「何でもかんでも削減すれば良い」というわけではありません。実際、全てのコストを無差別に削減することは、将来の成長を妨げる可能性があります。

利益を生むために必要な支出、例えば将来の収益を増やすための「未来費用」には、適切に資金を配分する必要があります。経営者は稼ぐためにお金を使うというマインドセットを持ち、投資としての支出を惜しまない姿勢が求められます。無駄なコストを削ることは大切ですが、利益につながる投資には積極的に資金を充てるべきです。

経営者はコストを削減することだけではなく、会社の成長と利益を生むために賢くお金を使うことの重要性を忘れてはなりません。経営の持続性と成長を考えたバランスの取れた支出戦略が必要です。

現金化できるものは現金化する

経営においては、換金可能な資産を現金化して、流動性を高めることが重要です。これを私は「埋蔵金」と呼んでいます。特に歴史のある企業では、貸借対照表(BS)の「投資その他の資産」という項目に眠っている資産が存在することがあります。これには、保有証券株、保険の積み立て金、利用していない不動産、会員券などが含まれます。

市場価格が下がっているとしても、現金化できる資産があれば、迷わず売却するべきです。損失が出るかもしれませんが、持っていても価値が生まれず、倒産のリスクがある場合は特に、すぐに売却して資金を確保するべきです。たとえそれが将来の退職金として積み立てていたものであっても、会社の存続が最優先です。

資金を確保したら、そのお金を使って利益を生み出す活動に投資し、事業が軌道に乗ったら再び積み立てることができます。このプロセスにおいては、企業の継続と健全な財務状態の確保を最優先し、資産の現金化と再投資の順番を間違えないようにすることが大切です。

市場の需要に応じた事業転換を考える

経営者は、市場の需要がない製品やサービスに固執するのではなく、事業転換を真剣に検討する必要があります。たとえば、優れた技術を持っているポケベルを例にとっても、市場での需要がなければ、それを改善し続けることには意味がありません。

商売として成功を収めるためには、趣味としてではなく、需要がある分野に事業をシフトすることが求められます。長年にわたって生き残ってきた企業の多くは、常に変化を受け入れ、適応しながら成長してきました。たとえばトヨタ自動車のような大企業でさえ、元々は自動車製造業ではなかったにも関わらず、時代の変化に合わせて事業を変革し、新たな挑戦を続けています。

中小企業であっても、変化する市場に対応するための事業転換は不可欠であり、これを行なうことが生き残りの鍵です。経営者はこの重要な役割を担い、変化に対応することで事業を継続していくべきです。

経営者の積極的な行動と目標設定

経営者には行動を起こすことが不可欠です。成果を出すためには、ただ座って待っているだけではなく、能動的に動く必要があります。意外にも、中小企業の経営者の中には行動しない人が多いという現実があります。たとえ営業活動が嫌であっても、倒産のリスクがあるならば、行動を起こすほかありません。言い訳を探すより、必要な行動をとるべきです。

実際、成功している経営者は常に積極的に動いています。経営者は会社の指針を示し、従業員よりも一層働くことが期待されます。動かない言い訳は無用で、行動することが経営者の本分です。

この行動を促すためには、会社の財務状況を理解し、どの程度売上を上げれば会社が安定するかなどの目標を設定することが重要です。明確な目標があれば動きやすくなり、それに向かって積極的に行動を起こすことができます。したがって、経営者はまず数字を把握し、その上で具体的な行動を起こしていくべきです。

2023年下半期から2024年上半期の企業倒産リスクと行動の重要性

本日は、近い将来に倒産のリスクが高まる企業について話し合いました。コロナ融資の返済が始まり、多くの企業が資金繰りに苦しむ状況が出ています。厳しい現実をお伝えしましたが、中小企業には是非とも生き残ってほしいと願っています。しかし、残念ながら間違った知識を持ち、適切に行動できていない企業が多いことも事実です。

正しい知識を身につけて、会社を存続させるためには、とにかく行動を起こすことが求められます。行動することで、何らかの成果が出ることは間違いありません。それが失敗であっても、その経験は次の成功につながります。成功する人は、成功するまで何度も挑戦を続けた人です。

この理解は、どんな経営者にも共通しているはずです。行動することの大切さを忘れず、前向きな姿勢で事業を続けていきましょう。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。