2025.09.15
【コラム】銀行融資の審査ポイントは7つ!申請の流れも詳しく解説
現在、銀行融資を検討されている企業も多いでしょう。事前に審査の流れを知っておくと、実際に申請した際の手続きもスムーズです。
そこで今回は、そんな銀行融資の申請から契約に至るまでの流れや審査が通りやすくなる7つのポイントについて詳しく解説します。資金調達を検討していらっしゃる企業は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.銀行融資とは
銀行融資とは、銀行が法人や個人が事業をおこなう際の資金を貸し出すことです。都市銀行だけでなく、地方銀行やネット銀行、地方銀行・信用金庫などがあります。
この銀行融資の特徴は、次の3つです。
1.低金利で限度額が大きい(金利:1.00~4.00%/限度額:1,000万円~数億円)
2.審査に時間がかかる(初回は約1ヶ月)
3.担保や保証を求められる(土地・連帯保証)
また、企業向けの銀行融資は、大きく分けて3種類あります。
・証書貸付:金銭消費貸借契約書を締結し、1年以上の長期で返済できる
・手形貸付:短期で利用され、約束手形の振り出しで融資を受けられる
・当座貸越:担保を元に限度額の範囲内で預金不足の際に繰り返し利用できる
銀行融資を受ける際は、自社の経済状況や資金調達の目的によって、どこから借りるか、どのような融資を受けるかを検討しましょう。
2.銀行融資の申請の流れ
実際に銀行融資を受ける際は、5つの申請の流れに沿って手続きが進みます。資金調達を検討する際は、この流れを考慮して申請時期を判断しましょう。
2-1. 融資の申請
最初に融資の申請をします。懇意にしている銀行がある場合は、担当者に融資を受けたい旨を伝えましょう。これまで融資を受けたことのない銀行から借り入れる場合は、次の4点について申請前に相談すると、その後の手続きがスムーズに進みます。
1.融資の希望額
2.借入期間
3.返済計画の詳細
4.担保または連帯保証の有無
設備投資や仕入代金の支払いに加え、融資の具体的な用途・資金繰りの見通し・これまでの借入を含めた銀行との取引状況などを簡潔に伝えておくと、申請時の印象もよくなるでしょう。
2-2. 必要書類の準備・提出
次に、必要書類を準備して銀行に提出しましょう。企業が銀行融資を受ける際に必要な提出書類は、主に9つあります。
| 必要書類 | 書類の用途・注意点 |
| 1.貸借対照表 | 決算書 直近2~3期分を準備するとよい |
| 2.損益計算書 | 同上 |
| 3.勘定科目内訳明細書 | 同上 |
| 4.確定申告書(法人税申告書) | 税務署の受付印のある原本を用意返却されない場合もあるため、コピーを準備する |
| 5.納税証明書 | 発行日と税目を確認し原本を用意する(返却されないことが多い) |
| 6.事業計画書 | 融資後の収益の見込みや返済計画を提示するための資料 |
| 7.資金繰り表 | 経営状況と今後の返済の可能性を確認する資料 |
| 8.会社の登記事項証明書・定款 | 法人の実在性と権限を確認するための資料 |
| 9.印鑑証明書 | 実印の真正性を確認するもので契約時にも必要になる |
書類を準備する際は、決算書の内容と確定申告書に齟齬がないかを事前に確認しましょう。数字が合致していなければ信頼性を損なうリスクもあり、注意が必要です。
赤字決算で運転資金の融資を受けるときは、主な原因と改善策に関する資料を添えると、印象もよくなります。一方、設備投資を目的とする融資では、契約書や見積書などを添付しましょう。
ちなみに、個人事業主は、確定申告書・納税証明書・事業計画書・資金繰り表を提出します。いずれにせよ、追加資料や書類不備への対応で時間を取られる可能性も考慮し、余裕をもって前倒しで準備しましょう。
2-3. 担当者との面談
銀行の担当者との面談は、先に提出した書類の情報を参照します。この面談での印象が審査結果に深く関わるため、非常に重要なプロセスです。
面談は銀行のほか、銀行の担当者が自社のオフィスや店舗・工場などを訪問し、設備の現状や事業内容を確認しながら質問するケースも少なくありません。
面談では、楽観視するより、現実的な見通しを誠実に説明するほうが印象はよくなります。数値や計画の一貫性にも注意して、自社の強みや資金使途を簡潔に伝えましょう。
2-4. 銀行の審査
提出した資料と担当者との面談内容を基に、銀行の審査が実施されます。事業の将来的な収益性や返済能力、経営者の信用力などを総合的に勘案して融資の可否が判断されるでしょう。
銀行融資は、金利が低いこともあり、審査の難易度もやや高めの傾向です。融資の申請額や経営状況・使途によって異なりますが、一般的に数週間〜数ヶ月程度かかります。緊急性を加味しながら、資料の準備と審査に要する期間を見越して早めに申請しましょう。
2-5. 融資契約の締結
審査に通過した場合は、融資契約締結の手続きに進みます。最終段階ですので、実際の融資金額のほか、金利や返済方法・返済期間など契約内容の確認が必要です。
自社の今後に深く関係するため、返済条件と返済が遅延したときの取扱に関する条文には、特に慎重に目を通しましょう。
ちなみに、審査で申請額に届かない企業の割合は、約30%程度です。自己資産は30%、少なくとも10%以上を用意していないと、審査では不利になります。また、不明瞭な事業計画や資金使途・与信枠の上限超えが原因で、希望額に届かないケースも少なくありません。
契約書の内容に合意した場合は、必要書類に署名・捺印し、担保の設定を含め融資の手続きに進みます。通常、全ての手続きが完了してから、申請時の指定口座に融資金が振り込まれるまでの期間はおよそ1週間です。
3.銀行融資の審査を通りやすくする7つのポイント
この章では、銀行融資の審査が通りやすくする7つのポイントについて説明します。検討中の企業は、ぜひ参考にしてください。
3-1. 説得力の高い計画書を作成する
銀行融資を申請する際は、説得力の高い計画書を作成しましょう。事業計画書は、銀行が融資の可否を判断する重要な要素となります。漠然として具体性に欠ける内容は、審査に大きな影響を及ぼすでしょう。
説得力を持たせるには、事業による収益性を裏付ける根拠が必要です。競合他社の状況やターゲット層を踏まえた市場調査、必要経費、売上予測など具体的な数値を盛り込みましょう。
リスクを考慮したうえで、自社のビジネスモデルに基づいた現実的な計画の策定が不可欠です。必要に応じて、税理士など専門家にも相談しましょう。
3-2. 決算書の内容をよくする
決算書の内容をよくするのも、銀行融資で審査を通りやすくするポイントのひとつです。銀行の審査でこれまでの実績を判断する際は、決算書の内容が大きく影響します。
純資産がマイナスとなり、負債が資産を上回る債務超過に陥っている企業は、審査通過率も下がるでしょう。本業での収益力を示す営業利益や、企業活動全体の収益が反映される経常利益が黒字かどうかも審査の重要な評価対象です。
特に、経常利益が黒字であれば、利息返済後も利益が出ている証明となり、評価も高まるでしょう。一時的な赤字は特別損失として扱われる場合もありますが、基本的に決算書は黒字のほうが望ましいとされています。キャッシュフローの状況を踏まえ、決算書の数字が良好なタイミングで銀行融資を申請するのも効果的な戦略です。
3-3. 審査の格付けを意識する
格付けを意識するのも、銀行審査で役に立ちます。格付けの基準は各金融機関が独自に設定しており、一般公開されていません。しかし、決算書など定量的評価と、事業方針や経営者の姿勢など定性的評価を総合的に勘案して判断されます。
多くの金融機関では、独自の10段階程度の評価基準で分類し、格付けの高い企業ほど融資を受けやすく、条件も有利になるようです。
格付けの詳細は分からなくても、日頃の健全な財務管理や透明性の高い経営姿勢は、審査時の評価向上につながります。資金繰りの安定化はもちろん、実現可能な利益計画の策定・適切な借入管理の徹底を心がけましょう。
3-4. 返済計画の根拠を示す
返済計画に根拠を示すのも、審査を通りやすくするポイントです。特に、銀行融資で確実に返済の見込みがなければ、審査に通過できません。希望的観測や楽観視による計画では、通用しないでしょう。
融資申請時までの実績や事業における市場分析、競合他社の存在を踏まえ、リスク要因を分析したうえで実現可能な返済計画を提示する必要があります。銀行の担当者を説得できるよう、事業計画書や決算書の内容から無理のない返済プランを策定しましょう。
3-5. 保証人・担保を検討する
保証人や担保を検討すると、審査に通りやすくなります。万が一、返済が滞った際にも回収の手段が確保されるため、銀行にとってリスクヘッジになるからです。
実際、中小企業の融資では、経営者の連帯保証や不動産など物的担保を求められるケースも珍しくありません。特に、自社資金の乏しい企業は、経営者の連帯保証に加え、建物や土地・設備などの資産を担保に差し出すと、審査の通過率が高まります。
ただし、担保には、抵当権を設定するための登記手続きが発生し、完済後も別途解除が必要です。また、担保の評価額が低いと、融資の金額に影響する点にも注意しましょう。
3-6. 期日内に公共料金・税金を支払う
審査を通りやすくするためにも、期日内に公共料金・税金を支払いましょう。公共料金や税金をきちんと納めていれば、資金や返済能力を示すだけでなく、期限を守る企業の姿勢を銀行にアピールできます。
法律で義務付けられている公共料金や税金の支払いは、経営者の誠実さや企業の社風を伝える要素にもなるでしょう。逆にいえば、公共料金や税金の支払いが難しくなる前のタイミングで銀行融資を申請することが重要です。
3-7. 銀行と良好な関係を構築する
銀行と良好な関係を構築するのも、審査を通りやすくするポイントのひとつです。仕事では、コミュニケーションの積み重ねが信頼につながるといっても過言ではありません。
特にメインバンクから融資を受ける場合は、担当者や審査する銀行員も人間である以上、日頃の関係性が審査に影響することもあるでしょう。適度にやり取りを重ねながら、良好な関係性を維持しようとする姿勢が大切です。
融資の申請に限らず、銀行から報告や資料を求められた際は迅速に対応し、自社の状況に変化があれば自主的に連絡を取って信頼関係を築いていきましょう。
4.まとめ
銀行融資は、日本の中小企業が資金調達するうえで安心で便利な手段といえます。審査である程度の時間を要するものの、低金利でまとまった額の融資を受けられる点がメリットです。
銀行といっても、都市銀行や地方銀行・信用金庫などさまざまで、それぞれ融資の審査基準は異なります。どの銀行で融資を受けるにせよ、使途に応じて適切なタイミングを検討し、余裕をもって申請することが重要です。
状況によって専門家にも相談し、今回紹介した審査に通りやすくする7つのポイントを実践して希望額に近い融資額を確保し、自社の発展へとつなげましょう。



