2023.07.14

【新持続化補助金】経営者・個人事業主必見!補助金の危険な落とし穴と黒字化へ正しい使い方を解説

持続化補助金を受ける際は、正しい使い方を理解しないと補助金の申請自体が無意味になることがあります。補助金が入っても、売り上げに結び付かなければ意味がありません。売り上げにならなければ、申請にかかった手間や工数が無駄になり後悔することもあります。

しかし、お金が必要で補助金を受けたいと考える人は多いですし、正しい使い方がわからないという方も多いと思います。私は多くの経営者と接してきた経験から、その気持ちをよく理解しています。そこで、今回は持続化補助金の申請方法と正しい使い方について解説します。ぜひ参考にして、黒字化への道を進んでください。

持続化補助金の概要

  • 持続化補助金は、小規模事業者を対象としています。
  • 通常枠では最大50万円、特別枠では最大200万円の補助金を受けることができます。
  • 対象業種は宿泊業や娯楽業を除く商業・サービス業で、従業員5人以下、それ以外の業種の方は従業員20人以下の会社や個人事業主が対象です。
  • 事業計画書を提出する期限が決まっています。提出締切:9月7日

事業計画書の様式

持続化補助金の様式はこちらにありますが、入力するだけではなく図や写真を使い視聴的にわかりやすい計画書を作成するとより良いでしょう。見る人にとって何をやるのか、使った結果会社はどうなるのかが明確になります。

小規模事業者持続化補助金(一般型) (jizokukahojokin.info)

補助金を申請するかどうかの判断基準

  • 人件費 自社で計画書を作成する場合、10時間~30時間を要することがあります。補助金50万円をもうらうためにかかる、工数や時間、それにより失われる機会損失はどれだけあるのか。これらを把握した上で、それでも補助金を使った方が自分の事業にプラスになるならやっても良いでしょう。
  • 依頼費用 依頼する場合、一般的な相場は10万円~20万円になります。依頼費用を払った場合、手元に補助金として入るお金は当然減ります。

補助金を受け取ることで得られる利益と、計画書作成や依頼費用にかかる負担を総合的に判断し、補助金を使うかどうかを決める必要があると思います。

補助金の正しい使い方

実際に補助金を受け取っても、それを上手く活用できず失敗に終わる会社は多くあります。どのような失敗例があるのか、補助金を効果的に活用するためにはどのようにしたら良いのか、詳しく解説します。

失敗する理由

「利益を生む為に補助金を使っていないから」

手元にお金が残らないのはなぜでしょうか?創業融資などさまざまな方法で資金を調達し、事業をスタートさせます。しかし、資金が現在不足している場合、過去に調達した資金を無駄に使い果たしてしまった可能性があります。

資金を溶かす傾向がある人は、補助金が入ろうがどうだろうと資金を無駄に使い続けます。なぜそうなるのかというと、利益を生むために使っていないからです。この点を徹底的に考える必要があります。

お金が無くなる具体的な例

広告費(広報費)

  • 広告費を甘く見る:広告を打つ前に、テストマーケティングを徹底的に行うべきです。どのような広告を打てば集客できるのか、事前に確認してから資金を投入することが重要です。広告費を甘く見て、根拠のない計画で広告を打つと、結果として50万円の広告費が無駄になることがあります。

広告宣伝費の成功事例として、セミナー集客の例を挙げます。
多くの人はセミナーへの集客のために広告費を使い、LP(ランディングページ)や広告のクリエイティブを作成して広告を出しますが、一度に予算をすべて使うという方が意外と多いです。しかし、これは良くありません。

LPや広告クリエイティブは、少額でまず反応を見るために作成し、反応がなければ改善していくサイクルを繰り返します。ある程度反応が見込めるレベルになったら、広告宣伝費をしっかりと投入します。突然予算をすべて使うのではなく、反応を見ながら段階的に広告費を増やしていく流れです。

100%予算を一気に使うことは失敗する可能性が高いため、注意が必要です。自分がうまくいくと感じても、客の反応をしっかりと見てください。自分のターゲット層や顧客の要望を理解し、それに訴求しているかどうかを把握することが重要です。これが成功者と失敗者の大きな違いではないかと考えます。自分の感覚だけで行動せず、注意してください。

ウェブサイト関連費

  • ウェブサイトの作成に過度な資金を投入する:ウェブサイト関連費用は補助金の対象となりますが、あまりにも安易に50万円などの高額な予算をかけてウェブサイトを作ろうとするのは避けましょう。単にウェブサイトを作っただけでは集客は期待できません。現代の2023年においては、他の手段も考えるべきです。
  • テストマーケティングの重要性:ウェブサイトを作る前に、まずテストマーケティングを行いましょう。売れるかどうかを確認し、売上が見込める段階になったら、その時点でウェブサイトを作ることを検討しましょう。ウェブサイト作成に先立って集客を行い、固定客を獲得することが重要です。

補助金の正しい使い道

ではどこに補助金を使えばいいのか?効果的に活用するためには、次のポイントに注意する必要があります。

  • 補助金が無くてもやろうとしていたこと:補助金が無かったとしてもその事業を行うおうとしていたことであれば、補助金を使えることでプラスになることが期待できます。しかし、補助金があるならやってみようという事業は大概失敗します。
  • 利益を生むものに資金を使う:補助金があるからといって、利益を生むもの以外に資金を使ってはいけません。飲食店を開業する場合には、例えば夜しか営業していないバーを昼間だけ間借りして集客のためのテストマーケティングを行います。売れるかどうかを確認し、売上が見込める段階になったらその時点で補助金を使い設備や備品を購入することを検討しましょう。

まとめ

本記事では、補助金の正しい使い道と黒字化への筋道について解説しました。補助金を効果的に活用するためには、資金の使い方に注意し、利益を生むものに資金を投入することが重要です。補助金があるからといって、無駄な出費をすることは避けましょう。事業を成功させるためには、資金の使い方を慎重に考える必要があります。

この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。