2023.08.09
【コラム】倒産の兆候!組織から会社を潰す危険人物の特徴。心当たりはいくつありますか
皆さん、会社のマネジメントはしっかり出来ていますか?会社が倒産する主な理由として「資金繰りの厳しさ」が考えられますが、実はそれだけではありません。内部に危険な人物が存在することも大きな要因となりえます。この危険人物の存在とその特徴を知らないと、どんな優れたビジネスモデルも内部からのリスクに晒される可能性があります。
多くの経営者は「あの人が問題かも」と感じることはあっても、具体的な対策が分からないものです。仕事は表面上ちゃんと進められているので、一筋縄ではいかないことも。そこで今回、倒産のリスクを持つ会社に共通する「危険人物トップ5」と、会社が取るべき対策をご紹介します。これを参考に、経営の安定と成長を目指してください。
目次
倒産する会社に必ずいる危険人物
第5位: 即座に不機嫌になる人
現代の職場環境では、上司や社長が部下のミスに対して指摘する際、柔らかい言葉を選ぶ傾向があります。しかしそれにも関わらず、少しの指摘で不機嫌になる人が存在します。このような人がいると、上司側も何かを指摘する気が失せ、重要なフィードバックがなされない恐れがあります。
キングコングの西野亮廣さんが所属する「チムニータウン」という会社では、不機嫌になることを前提としつつ、注意や苦言を伝える方法が採用されています。対策として、注意の前に「これからアドバイスをするが、不機嫌にならないように」という前置きをすることで、双方の理解と共感を促すことができます。
第4位: 失敗を報告しない人
仕事におけるミスやクレームなどの問題が発生した際、それを上司に報告することは重要です。しかし、報告した結果、怒られることを恐れて報告を避ける文化がある場合、小さなミスも積み重なり大きな問題に発展するリスクがあります。この行動は、最終的に会社を廃業の危機に追い込む可能性も考えられます。
対策として、失敗の報告を受け入れ、むしろ報告してくれたことを評価する文化を築くことが求められます。ミスを早期に捉え、適切に対応することでお客様の不満も最小限に抑えることができるでしょう。
第3位: 自分の人件費を理解していない人
多くの営業マンは、自らの人件費と売上の関連を深く理解していません。例として、商品の原価が7,000円、販売価格が1万円である場合、1つの商品での利益は3,000円です。100個の商品を販売すれば、売上は100万円、しかし粗利は30万円となります。
仮にこの営業マンの給与が月50万円であれば、会社はこの営業マンからの粗利だけで彼の給与をカバーできていません。つまり赤字です。このような場面で、営業マンが「100万円も売り上げたのに、なぜ給料が上がらないのか」と不満を持つことがあります。
重要なのは、給与だけでなく、社会保険料や通勤手当など、従業員1人当たりのコスト全体を考慮することです。その上で、給与以上の粗利を生み出す必要があります。この数字を理解していないと、結果的に会社全体の利益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
解決策として、経営者自身がこの数値の流れを理解し、従業員にも教育することが求められます。売上だけでなく、実際に会社に残る利益を正しく把握し、全員がその意識のもとで行動することが重要です。
第2位: 無敵の人
特殊な事例かもしれませんが、「無敵の人」とは固定の給与をもらっているにもかかわらず、仕事をせずに毎日出社だけしている人を指します。実際、私の所属していた会社にもそういった人がいました。彼らに仕事を依頼しても結局やらないため、誰も彼らに仕事を振らなくなります。しかし日本では正社員を簡単に解雇するのは難しいです。
その対策として、給与テーブルの最低ランクの役職を新たに作る会社もあります。それが彼らへの最も現実的な対応方法だと思います。
第1位: 否定・批判が好きな人
否定や批判が好きな人は、会社にとって本当に危険です。このタイプの人物は、常に何かを否定し、批判的な態度を取りがちです。その結果、チームのモチベーションが低下し、創造性やイノベーションが抑制されます。
例えば、ある勉強会が面白かったと思った際にその感想を聞いたところ、「面白くなかった」「何の役にも立たない」との否定的な反応が返ってくる。そういったネガティブな人は、同じ考えの人たちと派閥を作り、愚痴を共有する傾向があります。 飲み会を開いて、そこで会社の愚痴を話す「愚痴大会」を開始し、参加者は楽しむどころか、愚痴ばかりの話を聞かされるため嫌な気持ちになります。
このような負の影響は社内コミュニケーションを阻害し、組織全体の生産性に悪影響を及ぼします。
企業が取るべき対策
採用時の注意点
- 徹底した面接プロセス: 応募者の性格、価値観、過去の行動パターンを深く掘り下げる質問をする。
- 行動指向の質問: 具体的な状況に基づいた質問をし、応募者の反応を評価する。
- 参照確認の徹底: 前職の上司や同僚からの参照を確認し、候補者の過去の行動や性格を把握する。
- チーム面接の実施: 複数の社員が面接に参加し、多角的な視点から候補者を評価する。
- 文化適合性の評価: 会社の文化や倫理観との適合性を重視する。
- 選考プロセスの透明性: 応募者に対して選考基準やプロセスを明確にする。
- 能力テストの実施: 応募者の技術的、心理的能力を評価するテストを用いる。
- 内定前のインターンシップ: 実際の職場環境でのパフォーマンスとチーム内での相互作用を観察する。
- 面接の際に違和感を感じるようであれば、その人を採用しないこと。
- SNSの過去の発言や裏アカウントをチェックして、ネガティブな発言や他人の批判をしているような人物は採用を避ける。
例: 裏アカウントで炎上させたり、他人の不倫について非難している人は、採用すべきではない。
既に採用してしまった場合の対策
- コミュニケーションの強化: 定期的なミーティングや個別面談を通じて、問題の本質とその人物の懸念を理解する。
- ポジティブな行動の強調: 彼らの行動のポジティブな面を強調し、建設的なフィードバックを提供する。
- 明確な行動規範の設定: 社内での適切な行動とコミュニケーションの方法についてのガイドラインを設ける。
- 専門的なトレーニングの提供: コミュニケーションスキルやチームワークのトレーニングを提供し、その人物の社内での効果的な関わり方を改善する。
- 役割の調整: その人物のスキルや能力に合った役割に配置換えを行い、ポジティブな影響を最大化する。
- 成果指向の管理: 目標と成果に焦点を当てた管理を行い、具体的な成果に基づいて評価する。
- メンターシップの提供: より経験豊富な社員とのメンターシップを通じて、問題のある行動を矯正する。
- 社内文化の育成: 開かれたコミュニケーションと相互尊重の文化を育成し、否定的な行動を軽減する。
ネガティブな意見を持つ人は、企業にとってマイナスの影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。採用時の対策や、既に採用してしまった後の対策を取ることで、企業文化を健全に保つことができるでしょう。
成功事例
ある上場企業では、全員の成績や給与をフルオープンにしているというマネジメント方法で成功しています。この会社では、売上や粗利、給与などが全員に見られるようになっているので、批判が生まれづらいです。
この会社ではビリの人を叱責して伸ばそうとしません。ビリの人が上がったらビリから2位の人がビリになります。どこまで行ってもビリの人は生まれるんです。必要なんです。
ビリでも今の状況(忙しさや給与など)で満足している人、毎月1位が取りたい人、それぞれが目指す位置があり、全員が居心地の良い状況でちゃんと仕事ができる体制を作っています。それがこの会社の成功要因だと考えられます。
まとめ
今回は資金繰り問題以外で会社を倒産に追い込む危険人物5選についてお話ししました。結論として重要なのは、以下の二点です。
- 数字の管理の徹底: 数字を正確に把握し、管理すること
- ネガティブな要素の排除: 暗い人物やネガティブな人物が会社にマイナスの影響を与えることが多いので、そのような組織風土を作らないように心がけること
成功している会社の特徴として、明るい組織風土の構築と数字のオープン化が挙げられます。全員が数字に強い状態を作り出すことで、組織全体としての成長が見込まれます。そのような方針に基づいて改善していくことで、黒字化が見えてくると考えられます。
最後に、今日の格言として、「経営は資金繰りだけじゃない」ということを強調します。数字管理と組織風土の改善により、より強固な経営が築かれると言えるでしょう。
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