2022.08.31

【コラム】倒産原因は金の○○

会社がおかしくなる原因は一つ

多くの会社で既にコロナ融資の返済が始まっていて倒産してしまう企業も日増しに増加しつつあります。後で倒産の原因を振り返ると様々な倒産原因が考えられると思います。あの時のあれが良くなかった、もっとこうしておけば良かったなど後悔先に立たずな反省点が沢山出てくるものですが、実はほとんどの場合、突き詰めていくと多くの場合倒産原因は主に1点に集約されてきます。それは金の無駄遣いです。倒産原因が金の無駄遣いって、と思われるかもしれませんが、会社がおかしくなっていくのはほぼ金の無駄遣いが原因となっています。

企業活動とはどういう活動かを改めて振り返ってみましょう。企業活動とは会社が何らかの形(銀行からの借入である負債での資金調達又は株主からの出資による資金調達)で金を調達してきて、その調達してきた金を何かしらに形を変えて運用して利益を生み出すという行為を行っています。これは全ての営利企業が共通で行っている行為です。調達してきた金を利益(キャッシュ)を生む何かしらに変えて利益を生み出していくという所がポイントです。この原則にのっとって行動していれば会社がおかしくなっていく確率は低いと言えます。

会社を創業したてでまだ入って来る金が少ないうちは、無駄な事に金を使う余裕も無いので徹底的に無駄をそぎ落として利益を生むものだけに金を使うという考え方で動いているはずです。この考え方を常に維持したまま成長できていればいいのですが、売上が増加して会社に入って来る金が増えてくると人間の性格上意識していないとこの前提がどんどん崩れていってしまいます。この前提が崩れた状態とはどんな状態かというと、利益を生まない、利益に直結しない支出がどんどん増えていってしまうのです。

全く戦略的ではない交際費を何十万も使って毎日飲み歩いたり、利益を生まない高級車を買ってみたり、自社ビルを建ててみたり。こういった利益を生まない支出の割合が増えていけばそれだけ会社の稼ぐ効率は悪くなっていくためどんどん稼ぐ力が弱い会社になってしまうのです。税金を払った後で会社に残る利益、ホントの意味での会社の資産でこういった支出をしているのであればまだマシですが、売上の入金があった段階で使ってしまったのでは会社がおかしくなるのも当然です。

売上で入金される金額は利益ではありません、そこから仕入や人件費、その他の各種固定費などの支払いを行ってその後で残るもの利益になるわけですが、そう言った事を度外視して入ってきた金は全部自分の金と言わんばかりに無駄遣いをしてしまっていてはいつまで経っても会社はいい状態にならず売上が増えれば増えるほどどんどんおかしくなっていきます。経営者が数字を読めないというのは罪です。多くの従業員さんやその家族の生活を支えている、その責任を負っているのです。人を雇うというのはそういうことです。多くの人を支えられる強い経営者に成長していきたいですね。

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この記事を監修した人
市ノ澤 翔

市ノ澤 翔

財務コンサルタント 経営者向けセミナー講師 YouTuber

Monolith Partners代表、株式会社リーベルタッド 代表取締役、一般社団法人IAM 代表理事。
公認会計士資格を持ち世界No.1会計ファームPwCの日本法人で従事。
在職中に株式会社リーベルタッドを創業。
その後独立しMonolith Partnersを創業。中小企業経営者の夢目標を実現を財務面からサポート。
経営改善や資金繰り改善を得意としYouTubeをはじめとした各種SNSでの情報発信も積極的に行う。